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2013年 10月 11日
この1年間ずっと考え続けてきた
ことがある。 それは人生の晩年になってなぜすい臓がんになってしまったのか。 余命1年の末期患者になってしまったのかということである。 客観的に解説すれば簡単かもしれない。 食生活や食品添加物の問題、健康に対する過信、不規則な生活、 ストレス、タバコなど理由はいくつも挙がるに違いない。 もちろんこうした解答を否定するつもりはない。多分その通りであろう。 問題なのは何故よりによって私がこの運命のくじを引いたかである。 これも客観的に解説すれば体調管理を怠った自己責任だと言われるだろう。 いや単に運が悪かっただけかもしれない。 しかし本人としてはどうも納得行かない。 そこに何か意味を見出したいのである。 もし私を地上に送り出した宇宙の創造主・神というものが存在するとしたら あの世でその理由を問い質してみたい。そう思うほど理不尽なのである。 この難問に・解答が出そうもない問題に取り組んで1年。 ようやく解答らしきものを見つけた。あるいは論理的ではないとしても 本人がそう思うことで納得するしかない。そんな結論に至った話である。 この難問を解くためにまず取り掛かかったのはバランスシートの作成である。 すい臓がんの末期患者と運命が大きく変る中で果たして何を得たか。 そして反対に何を失ったか。その中にヒントが隠されていないだろうか。 他人からみると滑稽だと思うが本人にとっては結構真剣なテーマである。 ▼失ったものは何か。 まず老後の暮らしである。 平均余命から判断すれば10年以上の歳月を失った。 定年後の楽しみだったパリを中心としたヨーロッパのスケッチ旅行。 国内でも行ってみたい所はたくさんあった。 子供の結婚を見届けることも、もしかして抱くことが出来たかもしれない 孫の顔も見ることが出来なくなった。 長年の夢や希望は実現の一歩手前で幻のものとなった。 何ものにも代えがたい損失である。 妻と子供の将来にも大きなマイナスの影響を与えることになった。 妻も子供もまだ夫や父親を頼りにし必要としていた。 精神的にも打撃だろう。 経済的損失も無視できない。厚生年金は遺族年金に変更されて収入は 大幅にダウンすることになる。 もとよりたいした財産があるわけでもなく年金が頼りだっただけに 生活の心配もしなければならないだろう。 他にも失ったものは数多いがキリがないのでこれくらいにしておく。 ▼一方得たものは何か。毎日を大切に生きる。 きわめて密度の濃い充実した1年間が送れた。 そして人生に対して運命に対して森羅万象あらゆることに対して より深く考えるようになった。家族の絆がより深まった。 病気になってから仕事仲間や友人・知人から多くの励ましや ご支援を受け嬉しかった。 それからブログを開設したことぐらいである。 どう考えても、差し引きは大幅なマイナスである。帳尻は全くあわない。 このバランスシートのままでは本人としては納得いかない。 それが自然な人間の感情というものではないか。 末期患者となって得たもの。密度が濃い1年が送れたと言っても 失った10年の歳月には遠く及ばない。 家族の絆と言ってもこれまでも絆がなかったわけではない。 ブログの開設は確かに余命1年という診断がなければ 一生縁がなかったに違いないが、 バランスシート全体に大きな影響を与えるほどのものであろうか。 通常の思考方法ではこれ以上先に進めなかった。
by anms1024
| 2013-10-11 17:19
| 末期患者の気持ち
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